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めっき工程に於ける排水処理とサステナビリティ取組み
Before
めっき排水の処理(無害化)は、一般的に凝集沈殿法によるものが多く採用されています。この凝集沈殿法とは、めっき工程から排出された排水中の浮遊物(金属水酸化物)を高分子ポリマーにより凝集させて大きな塊(フロック)とし、沈殿(沈降分離)させて取り除いた後、更に次工程の砂ろ過装置で凝集沈降分離出来なかった微細な懸濁物質を砂を中心とするろ過材を通過させる事で取り除き、最終的に無害化された良質水を排出させる方法です。
しかしながら上記ろ過方法では、懸濁物質がろ過砂に蓄積していく為、蓄積限界を超えると目詰まりが発生します。この目詰まりを解消させるために逆洗浄を行うことが必要となり、その間一時的に排水処理が停止することとなります。その為一般的には2台以上のろ過機を設置し、ろ過圧を監視しながら交互運転を行うことで連続的に排水処理を行いますが、複数台のろ過機を設置するスペースの問題、並びに目詰まりの状況により、ろ過水のムラ(水量変動)が発生する等の欠点があります。
コストダウン事例
After
上記の欠点を解決する為、ろ過機に入る原水供給を下向流から上向流へ変更、さらに懸濁物質が蓄積したろ材を逆洗浄することなく、中央部に設けられたエアリフト内で連続的に洗浄分離される構造とすることで、原水ろ過を行いつつ、同時にろ材再生が出来る設備を採用しました。
【概略図】
<原水ろ過とろ材洗浄の流れ>
1.原水は、原水供給ノズル①から供給され、ディストリビュータ②でろ過材に均等に供給されます。
2.原水はろ過槽を上昇し、懸濁物質が取り除かれ良質水となって③からオーバーフローします。
3.ろ過して懸濁物質を捕捉したろ材は中央のエアリフト間に導かれ、ろ材が上昇する際に揉まれて懸濁物質が剥離します。
4.剥離した懸濁物質は④から排出され洗浄されたろ材は⑤からろ過槽に戻ります。
上記の様に、砂ろ過機の仕様を変えることにより、砂ろ過をしながら同時に汚れたろ材の洗浄が可能となり、設備停止をすることなく安定的、且つ良質なろ過水が得られます。
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