機械設計技術者のための産業用機械・装置カバーのコストダウンを実現する設計技術ハンドブック(工作機械・半導体製造装置・分析器・医療機器等)
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- プレス部品のVA・VEコストダウン設計のポイント
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金型の高寿命化による生産性・品質向上のポイント
Before
高品質なプレス製品を長期間生産し維持する事は、プレス加工における永遠の課題であり、金型の設計段階において、日々改善・開発していかなければならない事柄となります。
一般的なプレス金型で製品品質に影響を及ぼす部品として、抜きパンチとダイが挙げられますが、各々の刃先(切れ刃)が良好であれば長期間高品質な製品が加工できます。しかし、近年では製品の軽量化や安全性の向上により、高張力鋼(ハイテン材)やアルミ合金などのプレス加工が難しい材料が主流となりつつあります。
これらの材料をプレス加工する時、抜きパンチとダイが早期に摩耗したり、チッピングなどの欠け、鉄とアルミニウムとの親和性(くっ付き性)が高い事で発生するアルミの凝着、バリ、ムシレ等のトラブルが発生し、その都度金型の整備(パンチ、ダイの研磨)を行い生産がストップするので生産効率が悪くなると共に金型の寿命も激減してしまいます。
コストダウン事例
After
難プレス材をプレスするには、まず金型のパンチ、ダイの強度を上げる事が必要です。
一般的なプレス金型に使用されているパンチ、ダイの材料はSK材(炭素工具鋼、SはSteel(鋼)、Kは工具)、SKD材(合金工具鋼(ダイス鋼)Dはダイス(型))の熱処理をして硬度を上げた物が使用されています。材料の硬度は低い方からSK材(硬度HRC55)→SKS材(硬度HRC58、最後のSはスペシャル)→SKD材(硬度HRC60)→SKH材(高速度工具鋼 硬度HRC63、Hはハイスピード(高速))→超硬材(硬度HRC90)と硬度が高くなります。さらに生産量や難材料によってパンチ、ダイに表面処理(コーティング)を行い表面硬度(HV1000~5000以上)、耐摩耗性、耐焼付き性、耐凝着性を向上させる事によって高品質なプレス製品を長期間維持する事が可能となります。
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