Q -よくあるご質問

めっき作業における環境影響はどのようなものがありますか？

A -プレス表面処理一貫加工.comからのご回答

○もの造り（製造業）における環境影響としては主に下記が挙げられます。

• • 動力となる電気を使用することでのCO₂排出
  • 冷却、洗浄等に必要な水を使用することによる資源の枯渇
  • 製造工程で発生した廃棄物による廃棄汚染・廃棄物処理場への圧迫

○めっき作業における特有な影響としては以下となります。

• • 薬品漏洩による水質汚染、土壌汚染
  • めっき工程で発生する有毒ガスによる大気汚染

下記にめっき工場特有の環境影響に対する原因及び対策の一例を御紹介させて頂きます。

○薬品漏洩・流出による水質汚染・土壌汚染ついて

＜原因＞

めっき工程ではアルカリ性・酸性と様々な薬品を使用しています。その為、漏洩などにより河川へ流出した場合、水質汚濁、土壌汚染などの原因となります。流出、漏洩等による事故の原因としては、各槽・タンク・配管等の腐食・亀裂・老朽化、各槽のバルブ閉め忘れ、各槽への補給中による溢流・過充填、貯蔵タンクに液送するホースの接続不良、フォークリフト等の操作誤りによる容器・配管などの破損、メンテナンス作業時における作業手順の誤り、装置等の故障・停止によるものが挙げられます。

＜対応内容＞

めっき設備を使用すると共に、決められている「日常点検」、「定期検査」等を確実に行い、上記に挙げた全ての原因をチェックし、関わる全ての作業者には手順書・OJT・講習（内外部）にて教育・訓練を定期的に実施しています。また、建屋内の床面に傾斜を設けたり、槽周辺に防液堤を設置することで、屋外への漏洩を防止すると共に、河川への流出防止として緊急時用ピットを予め設けて被害拡大を最小限に止めるようにしています。

○めっき作業で発生する有毒ガス及びミストによる大気汚染及び人体の影響について

＜原因＞

めっき工程ではアルカリ性ミスト、酸性ガスが発生します。ミストは主に電解処理を伴う工程で発生します。電解反応に伴って還元された水素が気泡となって浮き上がり液表面ではじける為です。（電解の電流密度が大きいほど水素が発生、従ってミストの発散も多くなる）また、ガスについては、めっき前に母材の錆を落としたり、表面を活性化させる為に塩酸、硫酸、硝酸などの酸を使用している為です。一般的に処理する際は、ある程度濃度を調整して行いますが、補給する際は濃度の高い薬品で調整を行う為、よりガスが発生し易く吸い込んでしまう危険があります。

＜対応内容＞

ガス及びミストが発生する全ての工程に排気装置（スクラバー等）を設置しています。作業場にガス・ミストが浮遊することを防ぎ、排気装置が吸引したガス及びミストは洗浄された後に大気放出するので大気の汚染防止となっています。薬品補給時の吸い込みについては、全作業者にＳＤＳや手順書を用いて取扱いの注意事項、保護具の着用等を定期的に教育しています。実際の作業中も正しく薬品が扱われているかチェックする為、特定化学物質作業主任者（資格保有者）が各作業場に任命されており日々指揮監督しています。