Q -よくあるご質問

表面処理においての電解脱脂方法とは？

A -プレス表面処理一貫加工.comからのご回答

電解脱脂とは、脱脂洗浄工程の最終の仕上げ洗浄として用いられることが多く、その原理はアルカリ水溶液を使用し液中内で金属処理品を陰極または陽極として電解、金属素材表面よりガスを発生させることで、金属の表面のクラック・ピンホール等に入り込んだ汚れを除去する脱脂方法です。

尚、電解脱脂の方法には、陽極電解洗浄・陰極電解洗浄・PR電解洗浄があり、その特徴は下記の通りとなります。

【陽極電解脱脂】

金属処理品を陽極として酸素ガスを発生させ、酸化反応する事で有機物の汚れ除去、スマット除去に効果があるが、酸化被膜を形成するため、脱脂後に酸洗にて表面を活性化する必要があります。

【陰極電解脱脂】

金属処理品を陰極として水素ガスを発生させ洗浄。陽極電解に比べガス撹拌効果がよく、スマット除去に優れていますが、液中の金属ｲｵﾝ析出により金属表面がザラ付く要因にもなります。

【PR電解洗浄】

陰極電解と陽極電解を周期的に交互に行う方法で洗浄効果が高く、スマット・スケール等の除去に効果があります。

金属の表面処理において、脱脂洗浄工程(前処理)は最終品質に影響を及ぼす工程でもあり、その前処理の一部として用いられる電解脱脂は、めっき前の素地状況、めっき後の仕様に応じて選定しなければならない重要な工程となります。