Q -よくあるご質問

過酸化水素系の化学研磨とは？

A -プレス表面処理一貫加工.comからのご回答

過酸化水素系化学研磨とは、化学研磨処理の一つです。化学研磨は金属表面を化学薬品により溶解し光沢を与え、スケール除去する目的で使用されます。従来から知られている混酸浴（キリンス処理）に代わり低公害性・作業性・コスト的に有利さがあることから、過酸化水素（H₂O₂）を主剤とする化学研磨処理が主流となり、精密電気、機械部品などで幅広く利用されています。

【過酸化水素系化学研磨の効果と特徴】

○金属表面の光沢化とバリ除去

化学研磨はそのものを研磨するのではなく、化学薬品により金属の溶解を利用したものなので、物理的に研磨できないような複雑な形状のものでも、金属の表面を平滑化することで、金属表面に光沢感を出すことができる。また、金属切断、切削時に発生した微小バリ除去に有効です。

○金属表面処理の前処理

化学研磨をすることで金属表面のスケール除去に効果があり、まためっきの密着性も向上することから、めっきの前処理として多く使用されている。

○低公害性による作業環境の向上

キリンス処理などの混酸浴表面処理では、有毒ガスとなる窒素酸化物（NOx）が発生するので作業環境に影響があり取り扱いに注意が必要。また、局所排気装置など設備コストがかかるが、過酸化水素系化学研磨では有毒ガスの発生がないので作業環境がよく、また浴寿命が長く経済的です。

【関連項目】

・キリンス処理とは？